「初めて留学行くけれど、何を持っていけばいいのか分からない」「現地で体調崩したりしないか心配」という方も中には多いと思います。
とはいえ、行ったことの無い土地や居住(もしくは留学中)の人が少ない土地に行く人もいるかと思います。かくいう私も言葉の壁や情報源の少なさから現地に行くのを相当ビビッていたほうです。
ひるんでいても仕方ありません。こんな時は自己防衛、自己防衛です!
備えあれば憂いなし。すべては準備にかかっています。
さあ、準備に取り掛かりましょう!
- 【飲み水】未開封のペットボトルを買おう
- 【薬】常備薬1か月分と薬の中国語名を調べておこう
- 【辞書】電子辞書と充電池と辞書アプリ
- 【大気汚染対策】工業用防塵マスク
- 【下痢対策】まずは病院へ、行けなかったら経口補水液を飲め!
【飲み水】未開封のペットボトルを買おう
留学準備で必要なのは「水」の確保です。
基本的に水の確保はペットボトルを買えば良いですが、最終手段として携帯用ろ過機を持っていくと安心です。もし大都市に行くならろ過機は必要ありませんが、田舎に行くなら必須です。
日本では当たり前に水道水を飲んでいますが、中国では基本的に飲むことができません。主な理由としては、硬水であったり水源が汚染されている等あげられます。体を洗ったりする分には問題ありませんでしたが、体の中に入れるとすると怖いですね。
中国事情のポータルサイト「サーチナ」でも以下のように書かれていました。
中国ではどこの水道水も直接飲用はできない。その原因は水源があまりに汚いことにある。
引用元:サーチナ「<コラム>中国の水道事情、日本と違って中国で直接飲用できない原因」
直接水を飲む際には、ペットボトルに入った水、それも未開封のものを飲むことをお勧めします。大切なことなので2回繰り返します。未開封のものです。
すでに開封されているかどうかをしっかり確認してから飲みましょう。たまに中身を入れ替えて売っているところもあります。
もしペットボトルの水をペットボトルの水を手に入れることができない場合も起こるかもしれません。
実をいうと現地に到着してすぐの頃、水を確保できませんでした。
簡単に理由を説明すると以下の3点に集約されます。
- 学校内のコンビニが閉まっていた
- 浄水器があることを知らなかった
- 私の量から最寄りのコンビニまで徒歩20分かかった
後から知ったことですが、中国の大学は9月3日ごろから徐々に始まるそうです。私が行ったのは8月22日だったので、学校内の至るところで工事や改装をしていたため、5つある食堂のうち1つしかやっていませんでした。9月から留学で行く人は要注意です。
ここで役に立ったのが「Seychelle」というろ過ボトルでした。
水道水をろ過ボトルに入れては絞り出す作業を5回ほど行い、買ってきたボトルに水をためては歯磨きしたり、沸かして飲んでいました。ただしあくまでも緊急避難的方法なので、なるべくペットボトルの水か備え付けの浄水器を使うようにしましょう。
気を付けなければいけないことは、ろ過済みの水の中にろ過していない水が入ることです。混ざってしまうとせっかくろ過した水ももう一度ろ過しなければならなくなってしまうので要注意です。
この章のまとめ
基本的には蓋の空いていないペットボトルを買って飲むか、他に手段がなかったらろ過した水を沸かして飲むこと
【薬】常備薬1か月分と薬の中国語名を調べておこう
水の準備ができたら、次は薬の準備をしましょう。
常備薬は必ず持っていこう
短期・長期にかかわらず、常備薬は絶対に持参しましょう。
私もかかりつけの医者に行き常備薬をいただいてから留学に行きました。
1年間の留学で途中一時帰国する人なら、1か月分くらい持って行くと安心です。
常備薬の中国語名も調べておこう
これも”もしも”に備えて知っておきましょう。
もし中国で常備薬が切れてしまった場合に備えて、服用している薬の中国語名も調べておきましょう。
薬の中国語名調べ方
私がやった手順としては以下の通りです。
- 薬の名前をGoogleで調べる
- 製品名か成分名を英語でメモする
- 「製品名or成分名 中文」で調べる
例えば抗生物質の「レボフロキサシン」なら
引用元:KEGG MEDICUS日本語版より
この検索結果から「欧文一般名」という部分を取り出し検索してみましょう。
一般的に「薬の欧文一般名 中文」と入力すれば出てくるはずです。
たとえば今回調べたものなら「Levofloxacin 中文」です。
今回は上から2番目のURLをクリックしたいと思います。
引用元:全球华人药物资讯网「左氧氟沙星」より引用
ようやく出てきました。中国語では「左氧氟沙星」というようです。
たまに薬の製品名だと出てこない時もあるので、その時は薬の内容成分と容量を調べてみるとヒットします。
このようにして常備薬を中国語に翻訳しリスト化しておくと、病院にかかるときに説明がしやすく自分も安心して治療を受けられます。準備しているだけでも中国語の勉強になるのでお勧めです。可能な人は薬の名前だけでなく、アレルギー成分についても調べておくと一層良いでしょう。
この章のまとめ
常備薬は絶対持っていこう。普段飲んでいる薬の中国語名を調べておこう。
【辞書】電子辞書と充電池と辞書アプリ
語学学習で必ず必要になるのが電子辞書ではないでしょうか。特に中国語では4つもトーンがあるため、実際に発音を聞いて見たほうが理解が早いです。最近ではGoogle翻訳をベースにした無料アプリが多くリリースされていますが、正確さ情報量でいえば辞書に勝るものは無いと思います。
紙辞書VS電子辞書
語学学習で良く議論される話題に「紙辞書か電子辞書か」というものがありますが、私は電子辞書派です。中国語学習に限った理由でいえば
- 書いてそのまま認識してくれるのですぐに調べられる
- 正しい発音を聞ける
- 簡体字のトメハネに気を付けないと認識しない(正しい書き方が身につく)
以上の3点が主な理由です。
特に日本の漢字と中国の簡体字では「骨(日本語)」と「骨(中国語)」のように、中身が左右逆だったりすることがあるので、辞書を引く際に気を付ける癖がつきます。
電子辞書と充電池
電子辞書を長時間使っていると電池の消耗が非常に激しいです。中国では乾電池は安いですが、あまり持ちがよくなかったために日本からエネループを持ち込みました。しょっちゅう電池を買うよりも節約になるのでお勧めです。
充電器について
中国の電圧は220Vと一般的な日本の2倍あるので、充電器に貼ってある製品情報を見て確認しておきましょう。110~220Vと表示されていれば対応しているので使って大丈夫です。それ以外はプラグに差すと事故や火災の恐れがあるので持って行かないようにしましょう。
辞書アプリ
電子辞書はいいといっても、今はスマホの時代ですよね。常に電子辞書を持ち歩いて調べるのも大変です。そんな時は思い切って辞書アプリを買ってしまいましょう。
私がお勧めするのは「PLECO(英語)」と「小学館中日・日中辞典(有料)」をおすすめします。
電子辞書の電池が切れた時や街中に行く際にはこれらのアプリがあると非常に便利です。
この章のまとめ
220V対応の充電器と充電池を持っていこう。辞書アプリもあると便利!
【大気汚染対策】工業用防塵マスク
日本でも耳にするPM2.5の問題ですが、ひどいときは本当にひどいです。
気管支喘息になりかかったことのある私にも牙を向きました。アレルギーや呼吸器に何等かの障害(喘息等)を持っている人は、予防のために持っていくと良いかもしれません。(ただし見た目がド派手なのでつけるのには度胸がいります)
私が工業用防塵マスクを進める3つの理由
私がド派手なマスクを選んだからには3つ理由があります。
- マスクに隙間が無いから
- フィルターが長期間持つから
- フィルターの性能が普通のマスクよりも高性能だから
1つ目の詳しい理由としては、解体現場など粉塵が多く舞う環境下で作業する人向けに作られたプロ仕様だからです。もし顔とマスクの間に隙間があった場合、着用している人の呼吸器に粉塵が入り込んでしまいますが、このマスクなら顔とぴったり密着するので入り込む隙間が全くありません。逆に普段売られている不織布のマスクでは顔とマスクの間に隙間ができてしまい完全に粉塵を防ぐことができません。
2つ目の詳しい理由としては、1回使って捨てなくても良いからです。
理想は1回使用で変えることですが、過酷な環境で使うわけではないので大体1か月ほど使っていました。
使っていくとだんだん焦げ臭いにおいになってくるので、においがきついと感じたら交換していました。
3つ目の理由は顔の密着度具合とフィルターのろ過能力です。1つ目の理由にも書きましたが、顔とマスクが密着していなければフィルターの性能がいくら良くても呼吸時に吸い込んでしまいます。その逆に密着していてもフィルターの性能が悪ければ意味がありません。今回私が持って行ったのは「RL1」という国家規格のもので、個体粒子なら0.06μm~0.1μm、液体粒子なら0.15μm~0.25μmを常に80%以上捕まえることができるフィルターのマスクでした。
(参考:経済産業省「防じんマスクの新規格の概要及びその対応について」)
分かりやすくするために、大気汚染でよく言取り上げられる「PM2.5」と比較してみましょう。環境省によればPM2.5の定義は以下の通りでした。
大気中に浮遊している2.5μm(1μmは1mmの千分の1)以下の小さな粒子のこと
環境省「微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報 1.微小粒子状物質(PM2.5)とは」より引用
私がつけていたマスクの国家規格では個体なら「0.06μm~0.1μm」ほどの粒子を80%以上常に捕まえてくれるわけなのでこのマスクを常にしている限りはPM2.5はほぼ完ぺきに防ぐことができるというわけです。
実際にマスクを使ってみた
太原では11月1日から暖房がつきます。政府発表では石炭の使用は禁止されていますが、農村部ではいまだに使われているのか空気の質が悪い日が多かったです。毎朝のAQI(空気の質を示す数字)をチェックしては必ずこのマスクを着用して歩いていました。
実際に使ったフィルターの写真は以下の通りです。8月22日に到着してから10月までフィルターを変えずに使っていたせいか、黒く汚れています。
12月のある夜に1度だけマスクをしないで外出をした日がありました。その日は無風状態で空気の質も非常に悪く、もやがかかっているように見えました。驚いたことに、外出してから5分もしないうちにせき込んでしまい、1時間ほど続いていました。工業用マスクの効果の絶大さと自分の体の弱さを同時に感じた瞬間でした。
【下痢対策】まずは病院へ、行けなかったら経口補水液を飲め!
外国ではお腹を壊す原因がいっぱい。私も到着してから数日後に食べたヨーグルトで食中毒を起こし、朝5時からトイレに閉じこもったことがあります。そんな場合に備えて準備するものをまとめます
大前提:下痢や嘔吐になったら最寄りの医療機関へ
もし下痢になってしまった場合は、学校内の診療所や最寄りの医療機関へ行くことをおすすめします。保険に入っている人はヘルプデスクに電話をしたり日本語の通じる病院を調べてリストにしておきましょう。
私が旅行準備で参考にした「海外で健康 知恵袋」という本によれば病院へ行く基準が書いてありました。
*ただちに現地の石・治療を受ける1 下痢の回数が半日(12時間以内)に5~6回以上の場合2 発熱(38.5℃以上)、激しい腹痛、繰り返す嘔吐など症状が強い場合
3 痙攣・意識の障害を伴う場合
4 下痢、嘔吐が激しく口から水分の補給が不可能となった場合
5 その他重症と思われる場合
引用元:宮崎豊 著「海外で健康 知恵袋 第二版」p.171より
特に4番の「口から水分の補給が不可能となった場合」は私も経験があります。熱中症による脱水症状で、いくら口から水分を補給しても吐いてしまい水分補給ができませんでした。このような場合には点滴をする必要があるので、すぐに病院へ行きましょう。
中国語が使えないor最寄りに病院が無い場合に備えて
もし最寄りの病院が分からない・中国語で説明できない場合に備えて自己防衛策をしておきましょう。大げさな表現ですが、私はこれで生き残りました。
準備しておくもの
以下の4点は必ず準備しておきましょう
まずは経口補水液について理解しておきましょう。
食塩とブドウ糖を混合し、水に溶かしたものである。これを飲用する事で小腸において水分の吸収が行われるため、主に下痢、嘔吐、発熱等による脱水症状の治療に用いられる。水に溶かす前の状態のものを経口補水塩(Oral Rehydration Salts)という。
引用元:wikipediaより
要するに普通の水よりも身体に吸収されやすい水のことです。
下痢に限らず夏場の脱水症状や体が弱っているときに飲むのも効果的です。
ビフィズス菌については、ビオフェルミンあたりが良いと思います。私も実際に持って行って服用していました。
下痢したらまずは水分補給
お腹を下したら水分補給が基本です。水分が体から大量に失われている状態なので、脱水症状になる危険性があります。ポカリスエットで有名な大塚製薬によれば
体内の水分が2%失われると運動能力が低下する
と言われていました。
経口補水液の粉を混ぜるコツ経口補水液の粉とコンビニで買ってきたペットボトルの水を混ぜるのは非常に簡単です。まず、ペットボトルの中の水を粉が入るだけ飲み、そのあと粉を投入します。縦ではなく横方向にゆさゆさ揺らせばよく混ざります。
食欲が出てきたら乾パンをしゃぶろう
お腹が落ち着いてくると食欲が出てきます。お粥が手に入ればそれを食べるに越したことはないですが、不安な人は乾パンを1つ口に含んでふやけるまで待ってみましょう。お腹いっぱいとまではいきませんが、出て行った分のエネルギーをある程度補給することができます。
ビフィズス菌をとろう
お腹の調子が落ち着いてきたら、ビフィズス菌を飲んでコンディションを戻しておきましょう。2~3日は消化の良い物を食べるよう心掛け、脂っこいものや辛い物は控えましょう。
この章のまとめ
お腹を下したらまずは病院へ、近くになかったら経口補水液で水分補給を
<今回の記事のまとめ>
今回の記事の重要な部分をまとめます。
- 飲み水
未開封のペットボトルを買って飲むこと
- 薬
常備薬を持って行くこと。普段飲んでいる薬の名前を中国語で調べておくと安心
- 辞書
電子辞書を持って行くなら充電池も持って行くこと。アプリの辞書もおすすめ。
- 大気汚染対策
見た目はごっついが工業用防塵マスクがおすすめ
- 下痢対策
経口補水液の粉を持って行くこと。症状が出たらまずは病院へ。近くになかったら経口補水液で水分補給をしっかり行うこと。
学校の手続きなど他にもやることが一杯だと思いますが、同時並行してこれらの準備もしておきましょう。皆様の留学の成功を祈っています!