トラブルメーカーじゃいたんの雑記ブログ

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中国行くならこれはやっとけ~狂犬病ワクチン接種編~

憧れの海外留学、楽しみですよね。楽しさがあふれる反面、日本よりも危険がいっぱい。しっかりと対策をしておけば安心です。今回は留学前に私が受けたワクチン接種を4回に分けて紹介します。1回目は「狂犬病」についてです。

 

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そもそもワクチンって?

私が打ったワクチンの話をする前に、ワクチンとは何かを知っておきましょう。

アメリカのバイオ技術を代表する米国研究製薬のワクチンファクトブック2012(日本語版)によれば以下のような定義がされていました。

「ワクチン」という用語は、疾患に対する免疫力を高めて予防(予防ワクチン)あるいは治療(治療ワクチン)する、生物から生産されたあらゆる生物製剤に対して、使用されています。

引用元:ワクチンファクトブック2012(日本語版)「ワクチン接種の基本概念」より

ちょっと難しいので分かりやすくすると、ある病気を予防する(もしくは治療する)ために使われる、生き物由来の薬です。 

具体的な例でいうと、毎年冬に流行する「インフルエンザのワクチン」が分かりやすいでしょう。完全に予防することはできませんが、インフルにかかった際に症状が軽く済むように事前に注射しておくものです。

 

予防接種とは

では「予防接種」とはなんなのでしょうか?

公益社団法人東京都医師会によれば以下のように説明されていました。

毒性を弱めた病原体(ウイルスや細菌)や毒素を、前もって投与しておくことにより、その病気に罹りにくくすることを予防接種といい、投与するものをワクチンあるいはトキソイド(以下、ワクチン)といいます。

引用元:公益社団法人東京都医師会「予防接種のお話 1. 予防接種(ワクチン)とは?」

 

つまり、言い換えると「ワクチン」を投与することを「予防接種」と言うそうです。

 

簡単にまとめてみると、免疫力を高める生物由来の薬を「ワクチン」と言い、ワクチンを接種することを「予防接種」と言うことになります。

  

ワクチンと予防接種について一通り理解できたところで、中国に行く前に私が打ったワクチンについてご紹介します。

 

中国へ行く前にじゃいたんが打ったワクチンとは?

私が中国に行く前に打ったワクチンは以下の通りです。

今回はこの中から「狂犬病」について取り上げます。なぜ取り上げるかというと、現地で野犬の群れに追いかけられた経験があるからです。彼らは餌がもらえないと飛びかかってきます。本当に怖かった。

 

どこで接種したの?

接種したのは、新宿代々木にある「日中友好医院」でした。実はこの病院には、現地で半年以上滞在する人が居留申請時に必要となる「外国人体格検査記録」(要は健康診断書)を発行してもらうために行きました。当初は予防接種について全く意識もせず、単に留学楽しみだなぐらい呑気に構えていましたが、今となっては行って良かったと思っています。では、今回接種した病気について簡単な解説をしていきます。

途中ショッキングな映像があるので、見たくない方は再生しないほうがいいかもしれません。感染してしまった際に非常に怖いので、注意喚起のためあえて載せました。

 

狂犬病とは?

「犬が狂う」と書いて狂犬病ですが、厚生労働省によれば「すべての哺乳類」が感染すると書かれていました。

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狂犬病とはいえ、猫などから感染する可能性もある

出展:厚生労働省「狂犬病」より一部改変

 

具体的にはイヌ、ネコ、コウモリ、アライグマ、キツネ等です。狂犬病に感染している野良猫は聞いたことありませんが、別の病気を持ってそうですね。近づかないに越したことはありません。ちなみに「噛まれる」には「甘噛み」も入るそうです。また狂犬病を発症した動物に傷口や粘膜を舐められることや唾液のついた爪で引っかかれることでも感染します。映画バイオハザードのようですね。

狂犬病の怖いのが「治療法がないこと」です。先ほどの画像右側「治療と予防」にあるのですが、もしも狂犬病を持っている犬にかまれ発症した場合は「発症後の有効な治療法はない。」とされています。つまり、発症したら100%死にます。

 

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かまれた後にどうするかが生死の境目です

出典:厚生労働省「狂犬病」より一部改変

 

狂犬病を発症するとどうなるの? 

もし狂犬病を発症してしまったら、どんな症状が出るのでしょうか。厚生労働省によれば以下のような症状が出るとされています。

 

  • 前駆期:発熱、食欲不振、咬傷部位の痛みや掻痒感
  • 性神経症状期:不安感、恐水及び恐風症状、興奮性、麻痺、幻覚、精神錯乱などの神経症
  • 昏睡期:昏睡(呼吸障害によりほぼ100%が死亡)

引用元:厚生労働省「狂犬病」症状と診断

 

文字だけでは理解できない方のために、youtubeから動画を探してきました。戦後間もない頃にGHQの指導の下作成されたようです。悲しいことに幼い子供が狂犬病にかかってしまったようです。非常に生々しいので目を背けたくなりますが、発症してしまうとこの方のようになってしまいます。

 

注意:ショッキングな映像なので、見たくない方は飛ばしてください。


狂犬病

 

もし噛まれてしまったら

狂犬病噛まれたら即発症ではなさそうですが、事前にワクチンを打っておけば発症のリスクは下げられるようです。しかし、実際に噛まれてしまった場合には以下をするようにと教えて頂きました。

  1. 噛まれた場所に水道水を当て石鹸で5分以上洗うこと
  2. イソジンかアルコール70%以上の消毒液で消毒すること
  3. 速やかに病院へ行くこと
  4. 帰国時に検疫所に申し出ること

病院へ行った後は治療のため「暴露後接種」というものを行うのが通例なようです。「品川イーストクリニック」によれば、噛まれた後の対応は予防接種を受けている人と受けていない人によって違うそうです。

 

事前に予防接種を受けていない人(暴露前接種を受けていない)

  • 咬まれた場合には24時間以内にヒト抗狂犬病免疫グロブリン(HRIG)の咬傷部位への局所注射と細胞培養の狂犬病ワクチンの接種が必要です。
  • 咬傷部の消毒・手当て(破傷風ワクチン、抗生剤)
  • 侵入したかもしれないウイルスを拡散させないために、ヒト抗狂犬病免疫グロブリン(HRIG)(健康な人で作った狂犬病ウイルスの抗体)を咬傷部に注射します(このグロブリンは高価であり、入手できる国は限られています)。
  • 狂犬病ワクチンは5回接種します(0日、3日、7日、14日、28日)
    WHOでは、旅行者が移動しやすいように最初の日に2回分の接種(0日と3日を一緒にする)をする方法も勧めています。

引用元:品川イーストクリニック「狂犬病」より

 

予防接種を受けている人は以下のようになります。

事前に予防接種を受けている人(暴露前接種を受けている)

  • 3回の接種(0日、7日、21~28日)で、3年間の免疫が持続します。
  • この3年間のうちに、海外で咬まれた場合には、念のために2回の追加接種(0日、3日)をします。
  • 抗体ができているのでヒト抗狂犬病免疫グロブリン(HRIG)の注射は必要ありません。

引用元:品川イーストクリニック「狂犬病」より

 

いずれの場合にしても、医療機関に行き診断を受けるほうがよさそうです。特に予防接種しているからと言って安心していると生死に直結するので、必ず受診しましょう。

 

 でも要らないのではという人へ

ワクチン自体が結構高価(17000円弱)なので接種を渋る人もいるかもしれません。また日本は衛生管理の徹底により狂犬病が無くなった国なので、そもそもあまりワクチンを作っていません。もし留学や旅行先が首都近郊にあり首都近辺のみしか活動しない場合なら接種する必要は無いかもしれませんが、病院へのアクセスが悪かったり自分の言語が通じるか不安な場合には事前にしておいたほうがいいかもしれません。医師と相談して、予防接種するかしないか決めるのも有効な手段です。

 

外国でのワクチン自体の信頼性について

私が留学していた中国での報道で「乳幼児向けの狂犬病ワクチンの記録改ざん」が問題として報道されました。

jp.reuters.com

 

そもそも接種するワクチンに対して信頼性が無いのでは意味がありません。今回の報道は生産現場での問題について言及されていましたが、さらに怖いのは「保管管理」です。

 

噂に聞くところ、噛まれた人が適切な暴露後接種を受けたが帰国後に発症して死亡した例があるようです。問題の原因は「ワクチンの保管方法」にあったようで、適切な温度管理ができていなかったためワクチンの効果が無くなってしまったり期限切れのものしか提供できなかったとか。真相のほどはわかりませんが、言語が通じない国や都市部から離れた場所を旅行する人は打っておくのも良いかもしれません。

 

余談:野良犬・野良猫には近づくな!

日本では今や野良犬はいませんが野良猫がいますね。しかし、海外では要注意です。餌をあげようと近づくのはもっての外! 今回は私が招いた気のゆるみで犬に追いかけられた話をします。

私自身、今まで海外で犬に噛まれたことはありませんでしたが、野犬の群れに追いかけられた経験はあります。本当にバカな自分の不注意ですが、留学中の2018年1月末、出来心で野良犬に餌をあげたら、野犬数匹に追いかけられ飛びかかられたことがあります。当時は冬だったため、犬にとっては飢えとの闘い。さらに学校はもうすぐ旧正月ということもあり、通常出る残飯が不足していました。そんなところに私が餌をあげたものだから当然の結果です。冬だったので分厚いコートに長ズボンだったのが幸いでしたが、もし夏だったらと思うと冷や汗が止まりません。

 

 まとめ

以下の条件に当てはまる人は狂犬病の予防注射を考えてもいいかもしれません。

  • 狂犬病のリスクが高い国や発展途上国
  • 肌の露出が多くなる地域(暑いところ)に行く人
  • 言語が通じないところ
  • 大規模な病院まで行くのに時間がかかる秘境や郊外に行く人

記事の要点をまとめてみると

  • 発症したら致死率100%(治療法がない)
  • 噛まれても適切な治療をすれば発症のリスクは下げられる
  • 自己防衛のために予防接種をするのもあり

今回の記事では、狂犬病についての知識を紹介しましたが、何か悩んだり困ったことがあれば必ずお医者さんと相談することをお勧めします。